見える学力見えない学力

  見える学力見えない学力

  •  今、日本では義務教育が普及して、最低9年の教育を受けています。この教育は「知・情・意」の3つの側面からのバランスのとれた、総合的な人間教育でなければならない。
  •   しかし、現在の教育は知的側面に重点があります。 それは、知識が蓄積でき、誰もが理解できる確かな物差しを持っていることに原因しているのではないでしょうか? 
  •  現在の社会は人間が構成して成り立っています。したがって誰もが理解でき、普遍性のあるルールは社会が今後発達していけば、ますます常識として確固たる判断する「物差し」地位を確立します。
  •  それに対し、「情操」「意志・意欲」等の概念は他者が理解し、相対して比べる確かなる「物差し」を持ち得ておらず、その人固有の内在する存在であります。
  •  具体的に説明すると、知識は文字等を介して、他者に共通認識が可能で有り、理解可能な概念です。
     しかし、情育の中身である、豊かな情操、他者への思いやり、また意育を構成する逞しい意志、わき上がる意欲はその人固有のものであり、他者が何か具体的な「物差し」のようなもので推し量ることができない概念であるからです。
  •  そのような前提の元で、「見える学力」と「見えない学力」を考えていくと、見える領域の学力が知的側面での学力であり、見えない領域に属しているものが人間に内在している情操、意欲と言った「情・意」の学力ではないかと考えられる。
  •  見える学力がある程度測定可能な領域の学力に対し、「見えない学力」はその人固有の意欲、関心、態度、想像力といった、なかなか測定しにくい領域にあります。
  •  具体的にそれらの学力を増大し、人が成長しようとするやる気を育成するために提唱者の岸本先生と蔭山先生の実践方法を検証したい。
  •  蔭山先生の実践教育は100升計算、朝学習、音読を推奨しています。 この方法は知的領域だけでなく、音読を使い、豊かな感性を開き、朝学習による学習の習慣化、100升の繰り返し学習によって、くじけぬ意志とやる気を育成します。
     またやりきることによっての自己への自信と確かな満足感を育成してきます。そして、次のステップへの意欲を引き出す効果がある。 このような学習の作業化は確かなる知的な領域での「見える学力」を育成すると同時に他の人には認識しづらい「見えない学力」の育成にも貢献しているのではないかと思われる。
  •  知的領域での「見える学力」だけの学力は当面の学習は何とかなりますし、良い点数も獲得できますが、長い人生の自発的、能動的学習態度は育成しにくい。
  •  豊かな情緒、幅広い他者に対する慈しみの情とどんな困難な事をも乗り越えようとする意志、不屈の闘志、飽くなき好奇心等の「見えない学力」が「見える学力」を光り耀く存在にしていくのではないか。また「見えない学力」は知的な学習の積み重ねがないところでは、真にその働きが見えてこないのではないかと考えられます。
  •  つまり人間に内在する「情・意」の豊かな水脈がその人をトータルとして耀く人間にしていくのではないかと考える。

結論 

 私たちの主張している「自発能動学習」はどちらかというと「見えない学力」の構築に入ってきますが、もちろん「見える学力」も大事な学力です。その人が知的学習の財産がなければ、好奇心、意欲、といった「見えない学力」は真に力を発揮しえない。
 「見える学力」と「見えない学力」の総合的な調和育成が豊かな想像力(イマジネーション)を創り出し、その結果誰でも理解できる何かを創作、発明、開発、育成等の創造(クリエーション)の存在へと顕在してくるのではないかと考えます。